ハローワークの求人が酷い理由と対策。

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解説する女性

「ハローワークの求人が酷いものしかない」という話をSNSなどでちょくちょく見かけるのですが、そのようなことを言う方はおそらく勘違いをしています。

ハローワークとはどういうものなのかを。

ハローワークは企業のための無料ガチャです。

「人が真剣に悩んでいるのにガチャ呼ばわりとは何事か!!!」と思った方もいるでしょうが、こちらも真剣に書いてます。

オブラートに包もうが、関係各所に配慮した言い回しをしようが、現実的には「無料ガチャ」でしかないのがハローワークです。

いきなりこう言われても納得できない人が居るのはわかります。

というわけで、この記事では

  • ハローワークの求人がなぜ酷いものしかないのか
  • ハローワークがダメならどうすれば良いのか

といった内容を「企業側の視点も交えて」書いていこうと思います。

私も企業側として、ハローワークに何度も求人票を出してましたからね。

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無料で求人を載せられるのがハローワーク

ここはもうみなさんご存知でしょうが、ハローワークに求人を出すことは無料です。

きちんと登記している一般的な会社なら、どこの会社でも無料で使えるのがハローワーク。

無料のハローワークで求人をするということは、ゲームで言えばうちの会社は「無課金プレイヤー」だと宣言しているようなものです。(「課金プレイヤーでも無料ガチャは使うだろう」ということに関しては続きを読んでいただければわかるはずです)

ようするに、お金を出さずに人材が欲しいから、無料で求人できるハロワークを使うわけですね。

というわけで「とりあえず載せておこうか」程度の意識で求人を出している会社も中にはあります。なにせタダですから。

担当者がちょっと作業する以外はノーリスク&ノーコストです。(求人票を書いてる担当者としては結構面倒ですけど)

タダなんですから「1人くらい優秀な人が応募してきたらラッキー」くらいの気分で求人を出している会社もあります。手間がかかるのは実際に手続きをしている社員さんだけですし。

ハローワークでは欲しくない人材の応募を止められない

ハローワークでは、欲しくなかった人材が応募してくることを止められません。

「ハローワークに載っていた求人と実際に求めている人材が違う」という文句が出てくるパターンの主な原因がこれです。

ハローワークに求人を出したことがある方ならみな知ってる事実ですが、求人を出すときに指定してはいけない内容がたくさんあります。特に年齢と性別。

本当は20代30代だけ応募してほしいのに、年齢や性別で制限してはいけないというルールのせいで原則として書けません。(※原則なので当然例外もあります)

そのため「経験者尚可」のように欲しいところだけ優遇を匂わせるという手段で網をすり抜けるように書くのですが、このルールを知らない人は「受けるなとは別に書いてないし受けてみようかな」と勘違いして応募してしまいます。

すべての会社がこの裏技のようなテクニックを使っているわけではありませんが、「女性が大活躍しています!」などの書き方をしている求人をみたら「女性だけが欲しい」というパターンがほとんどです。

もちろん本当に「尚可」を「条件に当てはまっていれば優先する」という本当の意味で使う企業もありますが、「当てはまっていない人は面倒だから来ないでくださいね」という意味で使っているところも多くあるわけです。「当てはまらない人は来ないでください」と書いてはいけないルールなのですから。

年齢や性別だけではなく経験なども指定するのが難しい項目ですね。

ここで「募集する側と応募する側の条件の認識のミスマッチ」が発生して悲しい事故が発生するわけです。そして、どちらも得をしない無駄な時間と労力が消費されることになります。

中には「せっかく来てくれたのだから」と余計な気配りをして、本来欲しかった人材でなくても採用してくれる中小企業なんかも稀にありますが、大体お互いが不幸になって終わります。

企業側は完全に善意だったのに「求人の内容とは違うことばかりやらされた!」とSNSや口コミサイトに投稿されるような事態もありえる状況に。

本来は良かれと思って採用した企業側の考えを何も知らなければ「騙された」と思ったまま拡散しますからね。どちらも損をしている悲しい事例です。

ハローワークには最初から雇う気のない求人も実在する

応募する側からみたら信じられないでしょうが、雇う気がない求人はあります。

たとえば「うちの会社は儲かってるしこれから事業を拡大するつもりだよ!」というアピールのために「事業拡大するから求人を出している」という体裁だけ整えて、融資を引き出そうとする方も居ます。というか、実際にやった方を私は知っています。来月末で倒産することがほぼ決まっているのに求人を出し、なんと採用までしていたという強者です。その方はしっかり銀行融資を引っ張り出しました。

これも「無料で載せられる求人」だからこそ起こる悲しい事例ですよね。

他にも例を挙げると、「人手が足りてないから増やしてくれないか」と現場の人間に言われているけれども人を増やす余裕がない会社。

「求人は出してるから決まって人が増えるまで耐えてね」と現場の方々を納得させるためだけに、求人を出す方もいました。もちろん、採用する気は全くなしで。

このようなケースの求人に応募してしまうと、完全に時間の無駄です。企業側は面接まですれば社員に「一応新しい人を雇おうと探してますよ」というアピールが出来るので、応募者の一人負けみたいなものですね。

好条件の求人を出す会社は有料ガチャを選ぶ

本気で働いてくれる人を欲しがっている会社は、有料の求人情報誌や求人サイト、就職・転職エージェントを利用します。(※企業側から見ると有料でも、登録する求職者は利用料無料のところも多いです。)

中には独自の理念を持っていて絶対にハローワークを使うという会社も存在するかもしれませんが、本当にしっかりとした求人をするならハローワークはあまり使いません。使ったとしてもメインではないはずです。

これが実質的に有料ガチャです。

ハローワークでは指定できないような内容も、法に触れない程度までなら求人票に書けるようになります。また、民間の就職エージェント・転職エージェント相手ならある程度の融通も利きます。

あまり褒められたことではありませんが、書面には残さないように指定することも中にはあります。

多少のお金を払えば来て欲しい人材だけに来てもらえるのですから、資金に困っている会社や、何かしらの事情がある会社でなければ有料の求人を考慮します。(基本的に採用単価は100人以下の会社なら1人あたり100万円程度ですしね)

ここまで読んでいる方はおわかりでしょうが、有料の求人を出せないような事情がある会社がハローワークに求人を出しているわけです。(すべてがそうであるとまでは言いませんが)

有料ガチャはピックアップガチャ

またゲームを例に出しますが、ピックアップガチャというものがありますよね。通常のガチャと違い、特定のものが出やすくなっているあのシステムです。

特定のキャラクターだったり、特定の能力を持っているキャラクターだったり、特定の状況に強いキャラクターだったり、とにかく出るものが完全に固定されているか、出現率が大幅アップしているピックアップ系のガチャ。

ゲームを有利に進める上ではかなり重要な要素です。

なんと、社会でも同じです。

「ピックアップガチャ=企業側有料の求人」というわけです。

有料の求人方法ではこの「応募してくる相手の絞り込み」がある程度可能となっています。

あいだに専門の業者を挟むことによって。

先ほども書いたように、求人の時に年齢や性別などを理由に募集する相手を制限することは原則禁止ですし、ハローワークならまず書けません。その場で書き直しになります。(一部例外をうまくつかうことは可能ですが、その特例を使うと今度は別の条件が書けなくなります)

ですが、求人をする会社がどこの人材紹介サービスを使うかまでは制限されません。

つまり、欲しい人材を専門に扱っている就職・転職エージェント(人材登録サービス)を会社側が好きに選べば、求めている人材を高確率で引けるわけですね。

20代しか登録してない人材紹介サービスに頼めば20代しか来ませんし、女性しか登録していない人材紹介サービスに頼めば女性が来ます。当たり前です。

どうみても、ピックアップガチャと同じシステムですよね。これ。

ハローワークは誰でも自由に見れる上に求人内容であまり相手を制限できないので、どんな人がくるか絞れません。しかし、企業側としては欲しい人材だけピンポイントに欲しいわけです。

採用担当者は悩むでしょう。何かいい方法はないかと。

そんなとき、ハローワーク以外で「欲しい人材だけが高確率で応募してくる方法」があれば使いますよね。その方が確実ですから。

確かにお金はかかりますが、欲しくない人材の書類選考・面接をするのにも手間はかかりますし、その間も採用担当者の給料は発生しているわけですから。

というわけで、まともな会社は有料の求人を使って、欲しい人材を狙って獲得しに行きます。

本当に良い求人は非公開で行われるのでそこを狙う

結論だけ先に書くと、本当に良い求人を見つけたいなら非公開求人を狙うべきです。

そして、非公開求人を持っているのは就職・転職エージェントや転職サイトです。

なぜなら、企業側に信頼されているから。

仕事を探している人に向けてスクールをやっているような就職・転職エージェントを例として見ていきましょう。

スクールをやっているということは、企業側から見れば「ある程度のスキルが保証されている」わけです。スクールで学んでいるはずですから。

そうなると「どんな人がくるかまったくわからない求人」よりは信用できますよね。

やる気だけは満ち溢れている何も出来ない人が来ることはないわけですし。

企業としても、紹介される人材がある程度の水準を保証されて居たほうが楽なわけです。人事担当の人も。

そうやって、企業からの信頼を得たところに「ハローワークには流れない非公開の良い求人」がたまっていくわけです。人材を採用したい企業と人材を紹介する企業同士のやりとりで。

つまり、非公開の求人を積極的に狙っていかなければ「どんな人がくるかわからないけど無料だからとりあえず求人出しておこう」という程度で出している無料の公開求人に挑み続けることになるわけですね。

そしてタイトルの通り、酷い求人に当たるわけです。

誰でも見れるので、本当に良い求人が載ればすぐに決まってしまうのが無料で全公開の求人

無数にいる同じ求職者相手に、早さの勝負もしなくてはいけません。

就職エージェント・転職エージェントを利用して担当者に希望を伝えていれば、自分と企業の条件が合った非公開の良い求人が来たら向こうから紹介してくれます。

良い求人が来てないか自分で何度も確認する作業ともお別れ出来るわけですね。

特定の業種に絞った就職・転職エージェントがおすすめ

もちろん全業種に対応した超大手も非公開求人(企業から直接受けていて一般には出していない求人)を数多く抱えているので悪くはないのですが、業種を絞っているところを使うとさらに強いです。

完全に業種が絞れていないと「会社側が本当にやらせたかった業務」と多少ズレていても、似たような内容だろうと言うことで送り込まれてしまうこともありえます。担当者の方の知識や腕次第ですが。

大手がすべてそうだとは言いませんが、中にはそういったケースもあるわけです。

しつこいようですが企業側からみた場合、応募者がどんな人なのかはある程度絞られていたほうが手間がかからないことは間違いありません。

特定の業種や性別に絞った就職・転職エージェントを使うことで、自分のような人を求めている会社にピンポイントに売り込むことができます。

 さいごに

まとめ

というわけで、ハローワークは無料で使えるから酷い求人もたくさん載るということと就職・転職エージェントが持っている非公開求人を狙えば良い求人があるということでした。

また、転職サイト・エージェントは企業からみると有料でも、仕事を探している人は利用料無料のところも多くあります。せっかく無料で非公開求人を狙えるのに使わないのは明らかに損でしょう。

企業側が無料で使える求人はそれなりの条件の求人しか載らないし、数少ない本当に良い求人が載ったとしても相当な倍率になるわけですからね。誰でも見れるので。

本当に良い条件の求人に応募したいなら、業種や保持資格・スキルを絞った上で非公開求人を抱えている専門業者を通して、有料のピックアップガチャの中身になるのが近道ということですね。

 企業側目線での話が少々多いのは、私がハローワークで求人票を何度も何度も出す側だったせいかもしれませんが、逆の立場で考えることも大事なので、書かせてもらいました。

「非公開求人を持った転職サービスを使うと良い!」だけで終わらせては流石に不親切なので、特化型の転職サービスにはどんなものがあるか、いくつか軽く紹介する記事も書きました。よろしければどうぞ。

また、以前にこんな記事も書いていますので、気になった方はどうぞ。たまたま私が宅建士を持っていたので、書いたものです。

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