インターネットのおかげで家に居ても在宅で副業が出来るし、スマートフォンだけで出来てしまうものもあって誰でも気軽に副業ができる時代になりました。
私も副業を薦めているサイトをいくつか見ましたが、どこを見てもたいてい「得意なことを選びましょう」と書いてあります。ですが、この「得意なこと」というものについて勘違いしている人って多いんですよね。
というわけで、私が思う「得意なこと」とはどういうものかちょっと書いていこうと思います。
とにかく人間の心理によるバイアスが厄介
人間の心理に「苦労をして得たものの価値に対してその苦労の分の価値を上乗せしてしまう」なんてものがあります。
要するに「せっかく取った資格(せっかく覚えた業務)だからそれには(苦労した分の)価値がある」と思いたいという思考ですね。
似たところではサンクコストバイアスなんてのもあります。こちらは「今までかけたお金が勿体ないから途中でやめられない」という心理。実在する有名な失敗例からとって「コンコルド効果」なんて呼ばれていたもします。
これをこの話に当てはめると「資格をとるのにこれだけかけたんだから利用しなきゃもったいない!」といったところ。
確かに苦労をして得たスキルや資格を使って稼ぐのは合理的に見えます。
ですが、それが本当に「得意なこと」なのかどうかといえば私は違うと思います。
「できること」と「得意なこと」は必ずしも一致しない
これが私が言いたかった本題です。
「できること」はやらざるを得ない状況だったため必然的に覚えたり、より良い労働環境を得るために手にしたものであったりします。
これにさきほどの心理的なものが働いて「自分はこれが出来る」から「これが得意だ!」になってしまうんですよね。
ですが、本当に得意なことって実はまったく苦労してないなんてこともよくあるんですよ。
たちの悪いことに、本人はそれに気づいてないことも多いんですね、不思議なもので。
本当に得意なことは案外自分では気付かない
仕事中に他の人を見ていて「なんでこの人こんなことに時間かかっているんだろう?」とか「なんでこんなミスをするんだろう?」とか思うことはありませんか?
最近無い場合は学生時代を思い出してみてください。なにかをできない人を見て「なんでできないんだろう?」と思ったことありませんでしたか?
実はそのときやっていた内容が「得意なこと」だったりするんですよ、意外なことに。
「得意なこと」を聞かれるとほとんどの人は「なにか少しでも特別な技術」を答えようとするんですが「普通の人でも出来るけれど、自分はそれを他の人の半分以下の労力で出来る」なんてパターンも実はよくあります。
このパターンは実に厄介で、特別なことをやっているわけではないので目立ちませんからとうぜん褒められることもほとんどありません。なので自覚することもないわけです。
ですが、楽して他の人より早く終えられるならそれは間違いなく「得意」なんですよね。
そして本業の合間の空いた時間でやる副業なら「少ない労力でできる」というのはとても優先されるべき内容。
ニッチなスキルでも需要は意外とある
日本人は不思議なもので「苦労しないと稼げない」と思ってしまいがちなんですよね。
「自分が楽してできること」で稼げるわけがない!と思っている人がほとんど。
ですが、探してみると本当に意外なものに需要があったりするんですよ、現代。
例えば『手紙の代筆』という案件。この字面だけみるとありきたりです。
「そんなものどこかで習った文字が綺麗な人がやるものでしょ?」と思うのが当然ですが、なんと『丸文字での手紙の代筆』を副業にしている人が存在します。しかもきちんと成り立っている模様。稼ぎがおいくらかはわかりませんが。
ビジネスでは使えないので欠点にもなる丸文字が逆にスキルとして認められてるわけです。
確認のために副業によく使われているサービスの方で検索してみると本当にそれを出品してる人が居ますしね。
本人に確認したわけではありませんから言い切れませんが、本人にとっては自然体で書いているだけで副業になっている可能性も大いにありますよね、丸文字での代筆。「字に素人らしさが欲しい」なんてクライアントならなおさらですし。(何に使われるかを想像するとちょっとグレーな香りがするので気にしないこととします)
得意なことで稼ぐということ
と、今回は極端に珍しい例を挙げてみましたが、自分があたりまえにできることでもそれをできない誰かが居て、お金を払ってでも頼みたいと思っていることはあるわけです。今回の代筆のように。
自分には当たり前に出来るけど、それを出来ない人が居る。そんなものを見つけることが本当の「得意なことで稼ぐ副業」への一歩なんじゃないかなぁと思います。
「自分が得意なことはこれだ!」と決めつける前にいろいろな副業を調べて「こんなことも副業として成り立つんだなぁ」と知るのも大事ではないでしょうか。