ネジが回り続ける!?締まらない理由と対策を解説!

DIYをしていたらネジが空回りして入っていかなくて困った経験がある方も多いのではないでしょうか?ネジが回り続けて締まらない主な原因は大きく分けて以下の3つです。

  • ネジが引っかかる下地がない
  • 古いネジ穴が広がっているせいで引っかからない
  • そもそもネジ自体が劣化している

本記事では、ネジが回り続けてしまう原因の詳細やその対策を解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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下地がないからネジが回り続けるケース

ネジが空回りして入っていかないケースの多くは「下地がない」というケースです。

お家の壁(特に外側に面していない内壁)は、木や鉄で枠を組んで石膏ボード(プラスターボード)と呼ばれる薄い板に壁紙を張っているケースがほとんどです。普段からDIYをやっている方なら、ホームセンターでこんな感じに積まれているのを見たことがあるかもしれません。

この石膏ボードは硬い材料ではないので、ネジを締めてもあたった部分がボロボロと崩れてしまいます。そのため、壁の中に石膏ボードしかなければネジが入っていきません。1回試したネジを抜いてみて白い粉がついていれば、ほぼほぼこの石膏ボードです。

石膏ボードにネジを締める場合は、主に以下の2種類の方法を使います。

対策1:石膏ボードの向こう側に下地がある場所を狙ってネジを締める

石膏ボードも空中の何も無いところに固定することは不可能なので、あらかじめ組んだ枠にネジで固定してます。だいたいこんな感じです。

その下地を狙って石膏ボードごしにネジを締めていくのが確実な方法。

壁材を固定するための枠なので、耐久力にも優れているので可能ならこの方法がおすすめ。

下地を狙うと言っても壁の中をどうやって調べるの?と思う方もいるかもしれませんが、簡単な方法があります。それは強力な磁石を壁に当てることです。

石膏ボードを固定しているネジが金属なので、石膏ボードを固定しているネジの場所を磁石で特定すれば、その向こうには下地があるというわけですね。

ただしここで注意して欲しいのは「必ず回りも調べて縦と横の下地のラインを特定する」ということです。なぜなら、現代のボードビスは鉄砲のような機械を使って1秒間に数本のペースで締めていきます。そのため、ボードを固定した職人さんが新人さんだとうっかりミスをしていて下地がないところにネジがあるパターンが発生します。

昔ながらのやり方なら下地がない部分にネジを締めようとすると、ボードを固定するビスが空回りしてしまうため気付けます。しかし、鉄砲のような機械を使った上で調整が甘い状態で施工すると、下地がなくてもうまい具合にめり込むことがあります。下手に抜くより残したほうがあとの処理が楽なので、放置される恐れも。その間違ったビスを磁石で見つけてしまうと、磁石が反応しても下地がない可能性もあるので注意しましょう。

なお、下地の探し方については以下の記事でも解説していますので、知りたい方はぜひ読んでみてください。記事の最後には下地探しの便利ツールも紹介しています。

【DIY】壁の下地は磁石で探す?それだけでは危険です!
磁石で壁の下地を見つけただけでは事故のおそれがあります。その理由と対策を解説していきます。壁の中の下地を見つけたあとこそが大事なので、必ず確認してください。

対策2:石膏ボードでネジを使うための専用グッズを使って締める

石膏ボードに直接ネジを締めるのは無理でも、そのための専用のグッズがいくつかあります。

リフォームをする職人さんに良く使われているのが、トグラーとアンカー。(新築の場合は最初からこんな状況にならないように、棚を固定する予定がある場所には下地を入れたり、そこだけ石膏ボード以外の壁材を使ったりします)

トグラーは、ネジを締めると壁の中で動いて壁に固定される部材です。例えば棒状の状態で入れておいてネジを締めると先っぽが外に開いてTの字の形になって壁に固定されるものなどがあります。ただし、中で開く構造になっていることから壁のボードの厚みが指定されていることに注意しましょう。厚みが違うと中で正しく引っかからず、メーカーが設計した通りの強度が出ません。

以下のような形のものがトグラーです。


アンカーは、あらかじめ壁に入れておくとネジを締めたときに壁の中で開いて石膏ボードにグリップする部材です。有名な商品を1つ例に挙げるとこんなもの。

トグラーやアンカーは、ネジを締める前に壁に設置するタイプの部材のため、下穴を空けて差し込んでおく必要があります。(アンカーの場合は下穴不要のタイプもあるので確認しておきましょう)

以下のアンカーは下穴が要らないタイプ。(平たい部分が上下に開くので、使う場合は水平に打ち込みましょう。縦に打ち込むと左右に開いてしまうので上下方向への固定する力が弱まります)


各商品には下穴の大きさが書かれているので、そのサイズの穴を開けられるキリも忘れずに用意しておきましょう。サイズを間違えるとメーカーが保証している効果が出ません。(というか大体使えません)

古いネジ穴のせいでネジが回り続けるケース

2つ目は、古いネジ穴が拡がっているせいでネジが回り続けて締まらないケース。これはDIYのリフォームなどで1回外したものを付け直したり、新しいものに取り合えた場合に起こるパターンですね。

元の穴が拡がってしまっているせいでネジが引っかからず、入っていかないパターン。これは単純に穴を塞いであげれば解決します。

もっともお手軽にできるのは、穴に爪楊枝や割り箸を差し込むこと。元のネジ穴の長さに合わせて爪楊枝や割り箸を切って入れることで穴の隙間を無くすと、ネジが噛むようになります。これは昔のリフォーム大工さんがよくやっていた手法です。

なお、現代だと穴を埋める専用のパテが売っていたりします。例えばこんなもの。


従来の工法よりも現代科学の力を信じたい!という方はこちらを使ってみてください。(お客さんが見ている状況でリフォームをしている場合だと、爪楊枝や割り箸を使う工法が「ケチくさい」とか「シンプル過ぎて不安」という声を聞いたりもするので意外と出番はあるため職人さんに持たせます)

ネジが劣化していて回り続けるケース

最後はネジが劣化していて、ネジ山が部材に噛んでいかないケース。

これはもうシンプルに同じサイズのネジを買いましょう。

どうしてもそのネジじゃなきゃダメ!とかこの世に同じサイズのネジは無いんだ!という状況なら、パテで穴を埋めたあと木工ボンドや何らかの部材と一緒にネジを締めて無理やり気合で噛ませることも可能です。しかし、そんな劣化したネジを使ってて折れたら悲惨すぎます。

ネジが折れて固定したものが落下して床を傷つけたりガラスを割ったりされたら、そちらを修理するほうがお金がかかります。むしろネジ1本に1,000円出してすらお釣りが来るぐらい補修にお金がかかるでしょう。(ロケットなどに使う1本で数万円のネジを使っているという特殊なケースは除きます)

というわけで、ネジの山が無くなりかけてて入っていかない場合は素直にネジを買いましょう。調べれば大体同じ大きさのネジは売ってます。どうしても見つからない場合は金物屋さんを調べてネジを持っていくと、教えてもらえるかも知れません。

(建築業者として普段から付き合いがある場合は99%探してくれますし無ければ取り寄せてくれるのですが、初めて行くお客さんでネジ数本程度だとどう対応されるかはわかりません……)

【まとめ】ネジが回り続ける原因と締まらないときの対策を解説しました

ネジが回り続ける主な原因は

  • ネジが引っかかる下地がない
  • 古いネジ穴が広がっているせいで引っかからない
  • そもそもネジ自体が劣化している

ということを解説しました。

トグラーやアンカーを使えば固定できますが、やはり下地に固定した方が強いので、できる限り下地に直接固定することをおすすめします。

個人的にいちばん好きな方法は「できるだけ下地に多く固定できる位置を探す」→「下地がない部分はアンカーで固定する」です。

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