宅建に過去問だけで合格できない理由

「宅建は過去問だけで合格できる」という人と「宅建は過去問だけでは合格できない」という人が混在していて、実際にGoogleで検索するとどちらも出てきます。ですが、どちらも正解です。

私は入門用のテキスト1冊と過去問集1冊と3ヶ月の期間で合格しました。(別件で負傷して試験直前の10日ほどは目が開けられず勉強できなかったので実際は2ヶ月半程度です)

どちらの意見も正解なのになぜ全く逆の意見が出ているのかというと、合格者と不合格者では「過去問を解くこと」への認識が違うからです。

結論を言ってしまえば、過去問だけで合格できなかった人は過去問の使い方が間違っているわけです。

ということで、何がどう間違っているのかを順を追って説明していこうと思います。

有名な言葉を真似させてもらうなら、本記事は「過去問のすすめ」です。

宅建の過去問は解けて当たり前のもの

宅建試験の過去問は、受験する人でもしない人でも全員が手に入れることができます。

書店で過去問集を買えば解説がついたものがありますし、インターネットやスマートフォンアプリで無料で解くことすら可能です。

全員が同じものを見ることが出来て全員が解いているのだとしたら、いくら全問正解をしたとしてもそこで差はつきません。

ですが、過去問をメインの勉強法にした人が合格・不合格に別れているのが現実です。

学問のすゝめでは「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」までは有名ですが、続きがあります

「とは言われているけれども実際には貧富の差がありますよ。それをどうにかするために勉強をしていきましょうね」というのが続きを要約したもの。実際は「みんな平等だ」という意味だとの勘違いが横行していますが。

宅建の過去問も同じです。他の受験者全員が過去問を解いているのだから、ただ解くのではなく何か差をつけないといけません。不合格者との差を。逆に合格者に差をつけられてしまうのは最悪です。

過去問で合格ラインを超えるのは当たり前のこと

過去問は何度も解いていれば、当然ですが答えを覚えてしまいます。もちろんそれは良いことですし、勉強としては何一つ間違っていません。確実に進歩しています。

ですが、答えを覚えてしまったということは「模擬試験としての意味」はなくなってしまいます。この時点で「過去問で合格ラインを超えた」という結果になんの意味もなくなっているわけです。

ここを勘違いしたままいると「過去問では合格ライン+5点も取れていたのに落ちた」なんて嘆く人になってしまうわけですね。

初めて見る過去問も、初見の問題ではない

結論から言えば、初めて見たはずの過去問でも、ほとんどはあなたが知っているはず問題です。

そもそも宅建について勉強したテキストは過去問を意識して作られています。

受験者にはまったくありがたくないことですが、宅建の試験は日々進歩し続けていて試験で新しい問題が出てきてしまいます。もちろんそれは次の年から過去問になるので、過去問集には新しかった問題が載ります。

新しく過去問になった問題を載せていないと「このテキストは役に立たない!」なんて評判をたてられてしまいかねないので、当然ながらテキストも新しく追加されたところを学習内容に加えます。

というわけで、テキストには「過去問で出てきたことがある範囲」がたいてい載っています。

「全部は勉強しなくて良い!ここだけ覚えればギリギリ合格します!」なんて謳い文句で出しているテキストでもなければ、そうなっているはずです。

なので、過去問集は本番試験と違って「ほんとうの意味での初見の問題」にはめったに当たりません。その分点数が底上げされてしまいます。(後ろの方の実務経験者に点数を取らせるための統計的な問題は別として)

この底上げ分を少し引いておかないと、実際の合格ラインに達しているか勘違いしてしまいがちです。

宅建の試験で新しく出てきた問題も、過去問で解けることがある

過去問を本当にしっかり活用した人なら、本試験で見たことがない問題が出ても解けてしまうことがあります。もちろんすべてが解けるとは言いませんが、解ける問題は本当にあります。

実際に私が合格したときに解けましたし、合格後にお遊びで試験問題を解いたときも解けました。

なぜ初めて出た問題が解けたかというと、「問題としては初めて出たが、過去問に載っていた」からです。ややこしいですね。

どういうことかといいますと、過去問集にはしっかり載っていたのです。ハズレの選択肢として。

これを読んでいる方なら当然御存知の通り、正しいものはいくつあるか?や正解の組み合わせを選べなどの変形パターンはあっても基本的にはただの4択問題です。

なので、「正解を選べ」という問題であれば、正解の選択肢を一つ置いたらあとの3つは自由なわけです。ひっかけを置いたり、あえて正解肢とすべて真逆のものを置いてみたり。

で、ここでもう一つできることがあるわけですね。

ハズレの選択肢に「これまでは出題範囲外だった不動産に関わる話を出す」

というお遊びみたいなことが(作ってる方は遊びではないんでしょうけど)

そして、知らなくても問題ないハズレの選択肢としてバッチリ載ってしまったため、次回からは問題としても出題範囲になってしまうわけです。なんという地獄でしょうか。受験者には迷惑千万です。

というわけで、過去問をただ解くだけでなく、どうでもよかった選択肢までキッチリ読み込むことも必要なわけです。過去問だけで合格を目指すなら。

過去問で学ぶのは答えではない

答えを覚えてしまうから、解けない問題が出てくるわけです。

何を言っているんだこの人と思われては心外なのでそれに対する答えも置いておくと「その文は何を聞いているのか」を考えましょう、ということです。もちろん一問につき4つすべてです。正解の選択肢だけでは意味がありません。

大事なのは問題を解いた後に「この文はなぜ置かれているのか」を考えることです。

問題を作っている方々もその道のプロですから、遊びでハズレの選択肢を置いているわけではありません。正解の選択肢に対してなんらかの意味がある場合が多いです。(極稀に謎のものもありますけど)

問題文にあの定番ワードが含まれているからこのハズレ選択肢はそれを逆手にとってひっかけようとしているのかなと読み取ることができれば「本試験ではこのタイプのひっかけが来るかもしれない」と学べます。

正解の選択肢とハズレの選択肢が一部しか違っていないのなら「その違っている部分こそが宅建試験におけるその法令の一番肝心な部分だ」ということが学べるでしょう。

正解とは関係ないハズレの選択肢でも「どこがどう違うからこの文はハズレである」までしっかり自分の言葉で解説できるようになって初めて「過去問をマスターした」と呼べる、と私は思っています。

過去問で合格できると言っている人は、おそらくそこまでやっています。

覚えるべきは答えではなく答えの出し方

民法問題を例に考えてみましょうか。

宅建の民法問題は聞かれている範囲は同じでも問題が変わります。もちろん過去問をたくさん解いて定番のパターンをすべて覚えてしまえばある程度の点数はとれます。

ですが、全く新しいパターンが出てしまえばその方法では解けません。25%の運に任せるしかないでしょう。しかし、過去問を本当に使いこなせていれば、全く見たことがないパターンでも解けてしまうことがあります。

大事なのは答えではなく「答えを導き出すのに必要な知識」です。特に民法問題。

細かく解説すると多分5000文字を遥かに超えてもう1記事できてしまいそうなので簡潔に書きますが、「その法令は一体どういう目的で作られているのか」まで知っておくことです。

例えば、不動産業者と一般の方のトラブルに関わってくる法令は、一般の方は業者に比べて不動産の知識が乏しいと推定されるので、不動産業者より少し有利に保護されるようになっています。

この部分を感覚的にでも「この辺りまでは保護してあげるんだなぁ」と過去問から学んでおけば、全く新しいケースになっても過去の事例と比べて並べてみて「一般人に不利すぎるケースに分類されるから無効にできるかなぁ」という推定で答えに辿り着けることもあります。

実際、私が合格した年はその前後に比べて民法がとても難しかった年ですが、この手法で大分とれました。

というか、法令が存在する目的を知っているのにそこから導き出した答えが間違っていたとしたら法の運用がおかしいということになってしまいます。(実際は裁判所も人間がやっているのでおかしいことはたまにあるんですけど、試験ではわざわざ出してきませんからね。作問者がよほどヤバイ人の年でなければ。

というわけで、過去問で答えを学ぶのではなく、答えを導きだすための知識考え方までつけてしまうことが大事です。

答えのその先を過去問で学べば宅建試験は過去問で合格できる

結論を書くと、私は「問題を解いたその先こそが本当に合格に必要なもの」だと思っていますし、それでテキスト1冊と過去問だけで一発合格しました。

ここまでの話で過去問の正解を当てるだけでは他の人と差がつかないということは理解して貰えたと思います。その先を目指すのが合格に向けての第一歩です。

さきほど説明した、過去問のどうでもよいハズレの選択肢を学ぶことも問題を解くこともそうですし、問題の答えではなく問題を解くための考え方を学ぶこともそうですね。

というわけで、合格をした人は意識的か無意識かは別として、過去問をただ解くのではなくその先まで勉強していたし、不合格の人はおそらく問題を解いたことで満足してしまっていたのではないかということと、その認識の違いから「過去問だけで合格できるか」に両論があるのではないかというお話でした。

※と言っても人には向き不向きがあるので、過去問から問題を解く以上のことが苦手な方は素直に教材を使いましょう。自分で考えるのは苦手だけど、教えてもらえさえすれば覚えられるなんて方はその方が楽に合格できます。

おまけ:宅建の勉強関連ではこんな記事も書いています。

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