穴を開けずに柱を固定できることから賃貸でのDIYで良く使われているラブリコ。そのラブリコを使って棚を作ろうと考えているものの、SNSなどでラブリコが倒れる話を聞いて不安に思っている方もいるのではないでしょうか?
本記事では、ラブリコが倒れてしまう理由やその対策を紹介しますので、ラブリコを使ってDIYをする際の参考にしてください。
ラブリコが倒れる理由は?
ラブリコが倒れる理由はさまざまですが、本記事では代表的な原因を5つほど紹介します。ラブリコを使ってDIYをする際に失敗しないための参考にしてください。
今回紹介する主な原因は以下の5つ。
- 重心がズレている
- 突っ張りの上限幅を超えている
- 不適切な固定方法をしている
- 突っ張りが強すぎる
- 棚の設計が良くない
以下で詳細を解説していきます。
重心がズレている
ラブリコで取り付けた棚板やポールの重心が柱の前面にずれると、不安定になり転倒する可能性があります。ラブリコで固定した柱と柱の間に物を置いている場合は、置いた物の重さが真下にかかります。
しかし、棚板を前にせり出した状態で前の方に物を置いてしまうと、手前側に重さがかかってしまい、手前側に向かって斜め下に向けて力がかかります。そのため、手前に倒れやすくなるわけです。
特に、ハンガーポールなどを取り付けた場合、重心が前方に移動しやすくなりますので注意しましょう。
取り付け位置や掛けるものによっては、重心がずれてしまうことがあることに注意して、棚を設計することがポイントです。
突っ張りの上限幅を超えている
ラブリコは設計上、突っ張れる上限幅が75mmであり、この範囲を超える隙間にはしっかりと固定できません。したがって、柱を適切なサイズにカットすることが大切です。
また、柱の長さが足りなかったりするなどの理由で継ぎ足した場合、その継ぎ足し部分の強度不足で長さが変わってしまうとラブリコの固定する力も弱まってしまうので注意が必要です。
説明書に書いてあるとおりの数値内で使用しましょう。
不適切な固定方法をしている
ラブリコは、下地のある場所を狙って固定しないと強度が低下し、転倒するリスクがあります。下地とは、天井材や床材、壁材を固定するために組まれている枠組みです。一般的には木や鉄(軽鉄やLGSと呼ばれるもの)で組まれています。
下地のない場所にラブリコを固定しようとすると、天井材が押されたことで持ち上がってしまいます。そうなると天井が歪んで持ち上がった分だけ床からの距離が伸びるので、ラブリコが固定する力も弱くなってしまうわけですね。
特にDIY初心者の場合、天井や床の向こう側にある下地の位置を見つけること自体が難しいため、誤った取り付けが起こりやすいので注意しましょう。下地の探し方については別記事で解説していますので、参考にしてください。
突っ張りが強すぎる
ラブリコを強く突っ張りすぎると、天井や壁に過剰な負荷がかかり、ダメージを与えてしまう可能性があります。そうすると下地が傷んでしまうため長期的に見て構造的な問題を引き起こすことがあります。結果として下地が破損し、ラブリコの固定もハズれてしまうことがあるので注意しましょう。
棚の設計が良くない
例えば、棚板を柱の外側まで伸ばすと、斜め下への力がかかりやすくなり、転倒の原因となります。
また、重いものを高いところに配置すると、斜めにかかる力が大きくなるので注意しましょう。重いものはできるだけ下段に配置し、高い位置には軽いものを置くことがポイントです。
どうしても棚板を手前にせり出したいときは、手前にせり出した棚板の下(できれば1番手前の部分)に脚をつけるように設計しましょう。
ラブリコが倒れないようにするには?注意点や対策6選!
ラブリコが倒れないようにするためのポイントを6つほど紹介しますので参考にしてください。今回説明するのは、以下の6つ。
- ラブリコの耐荷重を超えないようにする
- 重心の位置を考慮する
- 棚板を柱の外まで伸ばさない
- 柱の本数をできるだけ増やす
- 下地がしっかりしているところに設置する
- 定期的に点検をする
以下で、各項目の詳細を解説していきます。
ラブリコの耐荷重を超えないようにする
ラブリコは柱一本あたり約20kgまで(強化タイプは40kgまで)の荷重に耐えられるように設計されています。そのため、ラブリコで想定されている以上の荷重をかけないように棚を作りましょう。
また、ラブリコだけではなく、棚板がどれだけの重さに耐えられるかも忘れずに確認して設計することがポイントです。
重心の位置を考慮する
棚板に重い物を載せる場合、重心が柱の前面にずれないように注意が必要です。なぜなら、手前に重いものを載せると手前側に向かって斜め下に力がかかるため、ラブリコで固定した柱が手前に倒れやすくなるからです。
重心がずれると不安定になって、倒れる原因になるので、できるだけ重心を柱と柱の間に持っていくことがポイント。重いものは柱と柱の間、軽いものは手前側、というように置くと良いでしょう。
棚板を柱の外まで伸ばさない
さきほどの重心の話と重なりますが、棚板は柱の内側に設置することで、より安定感を増します。反対に棚板が外側に出っ張ると、斜め下への力がかかりやすくなり、倒れやすくなります。
そのため、可能なかぎり棚板を柱と柱のあいだで収めるように設計することが、ラブリコを倒れないようにするポイントです。
柱の本数をできるだけ増やす
当たり前ですが、柱を多く立てると強度を増すことができます。また、柱を太くすることでも安定性が向上します。
特に棚板の奥行きを広く取りたい場合は、手前側にもラブリコで柱を追加するなどの工夫をすると良いでしょう。その際は、天井の下地の位置に合わせることになるため、あまり自由度がないことに注意しましょう。(おそらく壁際の下地から303mmや455mmの辺りにあるでしょう)
下地がしっかりしているところに設置する
天井や床の下地がしっかりしているか確認することが大切です。天井は下地がある場所を狙ってラブリコで柱を立てます。
また、柔らかい床では柱が沈んでしまい、突っ張り強度が弱まる可能性があるので注意しましょう。
定期的に点検をする
使用中は定期的にネジの締まり具合や設置状態を確認し、木材の収縮による緩みがないかチェックしましょう。当たり前のことですが、ラブリコは突っ張る力で柱を固定しているため、柱に使っている木材が縮んでしまえば固定する力も弱くなります。
特に冬季は木材が乾燥して収縮しやすいため、定期的にチェックをしましょう。
まとめ:ラブリコが倒れる原因や対策を紹介しました
ラブリコを使ったDIYで柱や棚が倒れてしまう原因や対策を紹介しました。穴を開けずにDIYが楽しめるラブリコは賃貸DIYの強い味方ですが正しく使わないと倒れてしまうリスクがあることを理解して貰えたと思います。
本記事で紹介したポイントをふまえて正しい設計をしてDIYを楽しんでもらえれば幸いです。
ラブリコを売っている店舗がわからないという方のために、取り扱っているホームセンターをまとめた記事も書いていますので、知りたい方はぜひ参考にしてください。