初めに書いておきますが、事務作業用のデスクトップパソコン向けのグラフィックボードのお話です。最新ゲームをやりたい人はこの記事を読まないようにお願いします。
あくまで事務作業用のパソコンで、ディスプレイ用出力が一つしか無いグラフィックボード非搭載機種への増設が目的です。具体的には「仕事で使うパソコンをデュアルディスプレイやマルチディスプレイにして快適に事務仕事をする」辺りを目的にしています。
今回も超低予算で行きます。なんと5000円。激安価格で攻めます。
※近年出たばかりの新しいパソコンには今回紹介する製品は合いません。逆に性能が落ちてしまうので。事務作業用に売られている安いパソコンや中古で購入したパソコンならやる価値があります。
そもそも新しい高性能パソコンにはもうグラフィックボードが付いているか、最初からディスプレイポートが複数付いているので増設は要りませんから関係のない話です。
というわけで、まずは確認事項から。
最初に増設スロットを確認する
ここ10年で販売されたデスクトップパソコンなら十中八九PCI-Express(PCI-E)のスロットが備わっていますが、まずは本当にPCI-Eスロットがあるか確認。AGPスロットはほぼ絶滅しているはずなので「PCI PCI-E 違い」と検索して出てきた画像を見ながら確認すれば間違いありません。
スロット部分の近くをよく見ると小さく書いてあったりもします。
今回使う予定のグラフィックボードはPCI-Eのx16です。
この規格は実に便利で、大きい数字のスロットに小さい数字のグラフィックボードを指してもだいたい動きます。極稀に動かないものがあるくらい。
なので、x16のスロットであればx1、x4、x8、x16のグラフィックボードのほとんどが動きます。とても便利。(逆の場合は色々と工夫が必要です。私のサブブログでちょっと無茶な増設してたりもするので興味があるかたはどうぞ。大きさの違うグラフィックボードを取り付けてみた。エクストリームグラボ増設日記)
ケースのサイズを確認する(主に横幅)
グラフィックボード自体はパソコンの中に取り付けますが、出力端子はケースのバックパネルのところから出します。そのバックパネルの大きさが主に2種類。
8cmほどであれば「ロープロファイル」、12cmほどであれば「標準ブラケット」でピッタリ合うようになってます。ロープロファイルの場合は「ロープロファイル対応」と書いてあるグラフィックボードしか中に取り付けられないので注意。
※さきほど紹介した「エクストリームグラボ増設日記」ではロープロファイルでないといけないケースに通常サイズのグラフィックボードを強引に外付けする曲芸をしていますのでやろうと思えば気合で可能です。
マルチディスプレイ対応の激安型落ちグラフィックボードはGT710
GeForceの640番台以降と7xx番台以降はほぼほぼ3画面に対応しています。というか私は未対応のグラフィックボードを見たことがありません。が、購入前に一応確認はしておきましょう。
今回私が紹介するのはこちら。表題で「激安(5000円以下)」と書いてしまっているのでこれです。
超大手GeForceシリーズの激安グラフィックボードGT710です。このお値段でなんと3画面出力対応。※ケースの大きさがスリムの方は、ロープロファイルモデル、もしくはロープロファイルブラケット付きと書いてあるモデルを選びましょう。
ただし性能はお値段なりなので、作業をしながら3D処理が必要なアプリケーションを動かすと若干危ない感じになります。
あくまで3画面同時に使って事務作業をするために。といっても私も持っているサブPC(少し古めの第2世代のi7-2600K搭載機)なんかはグラフィックボード非搭載だったので少しだけ性能アップしました。(※この記事を書いた時点での「古め」なので、2025年現在だとかなり古め)
ただしこのグラフィックボード、出力端子がVGA,DVI,HDMIとバラッバラです。
出力端子とモニターの入力端子を変換アダプタで調整
というわけで、出力端子とモニターの端子を合わせましょう。単なるアダプタなら
![]() | 価格:318円 |

こんな感じで300円程度からありますし、変換機能が付いたケーブルにしても980円あたりで売っています。
※注意:VGA(D-SUB15ピン)はアナログ出力なので、DVIやHDMIに変換する場合は信号を変換する機能がついたものでないといけません。なので他の変換アダプタよりは高くなってしまいます。
あえてGT710を選んだ利点はVGA(D-sub15ピン)ポートの存在
いまVGAを変換するときの注意を書いたばかりですが、実はあまり気にする必要はありません。
というのもこの記事を読んでいる方は激安グラフィックボードの紹介に釣られて来たはずです。
とうぜん「モニターもできるなら安く揃えたい」と思っているのではないでしょうか?
はい、実はVGAという規格は今はあまり使われない古い規格なのですが古い激安の中古モニターを探すとだいたいVGAのみかVGA+DVIです。
というわけで、激安の中古モニターを探せば変換なしでそのままVGAが使えます。
最初からVGAの出力ポートがついているGT710なら逆に手間が省けます。
これが私がおすすめしている理由のひとつです。
そして、ネット上の中古ショップでは、VGA入力のモニターやDVI入力のモニターがなんと3000円台で売っています。
例えばこの中古通販サイトの『激安中古パソコンショップ【junkworld】 』では、安い中古モニターでVGA対応のものが3000円台からあります。最悪使えれば多少の傷や色の変色を気にしないなら1980円くらいでも出ているくらい。
というわけで、激安で一式揃えたい方にはメリットになるんですよね、VGAとDVIとHDMIという出力端子の組み合わせ。
激安の中古モニターを使いつつ変換アダプタも節約できるので個人的におすすめしてます。
性能に不安のある方や4画面にしたい方はもうちょい上のモデルも
もうちょっと予算を出せる方は、2025年現在だとGTX960あたりが個人的なおすすめ。
左画面でYouTubeを流しながら正面でこの記事を書きつつ、右画面に為替チャート12ウインドウ並べつつ下画面でソシャゲをプレイしていてもGPU使用率4%/グラボのメモリ使用率8割くらいです。
新品だと1万円台ですが、中古だと5,000円以下も出回っています。(4GBモデルの中古が5,000円台で出ているのになぜか2GBの低スペックモデルが2万円で出てたり謎の出品があるので注意)
この記事を書いている時点では中古で5,000円以下がいくつも出ています。
また、同じGTX960でもモニタに繋ぐ出力端子の数が3個しかないモデルもあるので注意しましょう。スペックの表を確認しつつ、商品画像で実際の出力端子を数えることが大切。
逆に出力端子が6個付いている場合もありますが、GTX960は4画面までしか同時に出力できません。
趣味の方のブログの「エクストリームグラボ増設」という記事の方でも紹介しているグラフィックボードです。先ほど紹介した激安グラフィックボードの倍近い値段にはなりますが、ロープロファイル対応ブラケットもついていますし、オーバークロック(ちょっと無理をさせて性能を上げること)もある程度対応しています。
といってもゲーミングPCに使うグラフィックボードには全く及びませんし最新の高負荷の3Dゲームは動きません。
具体的に言うとPUBGやApexという今流行のゲームは最低設定にしても動かすのがギリギリで試合にならない程度。かといって全く3Dゲームが動かないかと言えば10年くらい前の3DのFPSは普通に動きますし、5年くらい前のゲームなら設定をいじれば割と動かせたりします。(後から紹介したGTX960なら、他の画面で重い作業をしてない状態でグラフィックを少し落とせば、Apexくらいなら60FPS出せます。)
そもそも事務用パソコンの増設の話なので、ゲームをしないで仕事をするなら全く問題ありませんが。
というわけで、超低予算で2画面・3画面のパソコンにするためのGT710という激安グラフィックボード(とGTX960)の紹介でした。