
DIYをしているときに「なんだかこのネジ、形が違う……」と手が止まってしまった経験はありませんか?
「星みたいな形」「ちょっとギザギザの六角形」「金平糖みたい……」そんな見慣れないネジを前に「これじゃ手持ちのドライバーで回せない」と困っている人も少なくないでしょう。
大丈夫です。そのネジ専用の工具はとても簡単に手に入ります。というわけで、さくっと紹介していきます。
「細かいことはいいから工具だけ教えて!」という方のために、今回のトルクスネジを回すのに必要なビットも含めて詰め合わせられた工具セットを置いておきますので、お急ぎの方はこちらでどうぞ。
「星形のネジ」の正体は「トルクスネジ」
星形っぽいくぼみを持つネジには「トルクス(Torx)」という名前がついています。
なぜこんな形をしているかというと、ドライバーとネジの溝がしっかりかみ合って、力をスムーズに伝えられるから。ネジの頭をうっかり潰してしまう失敗が起こりにくいため、パソコンなどの精密機器やデザイン性の高い海外製の家具など、しっかり固定したい大切な部分で広く使われています。
なお、トルクスは登録商標なので、他のメーカーだとだいたいヘックスローブなどと呼ばれています。さらに面倒なことに、ヘックスネジとヘックスローブは別物なので注意しましょう。
トルクスネジはトルクスドライバーで回せる
トルクスネジを回すために必要なのが、先端が同じ星形になっている「トルクスドライバー」です。普通のマイナスドライバーなどで無理に回そうとすると、ネジの溝を潰してしまって取り返しがつかなくなるので注意。ここはぐっとこらえて、専用の道具を使いましょう。先端はこんな形。

また、トルクスネジの溝にマイナスドライバーっぽい溝が付いているパターンもあります。これは慣れている人ならマイナスドライバーでもトルクスでも回せるようになっていますが、慣れていない人がマイナスドライバーで回そうとするとそれなりの確率で潰します。(マイナスドライバーのサイズを完璧に合わせたうえで「垂直に当てて強く押しながらブレずに回す」という動作ができる方なら大丈夫)
というわけで、可能ならトルクスドライバーを使いましょう。というか、マイナスだけで良いならトルクスの溝を付ける意味がないですよね。マイナスよりトルクスの方が良いけどトルクスドライバーを持ってない人でも一応回せるように……という意味で両方付いているので、そりゃあトルクスの方が正確です。
ポイント1:まずはサイズを確認【最重要】
トルクスにはサイズがあり、「T(ティー)」に数字を付けた「T8」「T10」「T25」のように表記されます。この数字が、ネジのくぼみの大きさを表しています。
- 数字が小さい → ネジも小さい(アクセサリーや小型の電子機器など)
- 数字が大きい → ネジも大きい(家具や自転車など)
もし違うサイズのドライバーを使うと、うまく回せないだけでなく、大切な家具や機器を傷つけたり、ネジの溝を潰してしまう原因になります。
初めて購入するなら、色々なサイズの先端部分(ビット)が入ったセット品を選ぶのが一番のおすすめです。これ一つあれば、今後また別のサイズのトルクスネジに出会っても安心ですよ。
ポイント2:「いじり止め」の穴があるかチェック!
ネジのくぼみの真ん中をよく見てください。小さな突起(ポッチ)はありませんか?
この突起があるネジは、「いじり止め付きトルクス」と呼ばれ、「ここからは安全のために分解しないでくださいね」というサインとして使われています。
このネジを回すには、ドライバーの先端にそれに対応する穴が開いている特別なタイプが必要です。普通のトルクスドライバーでは突起が邪魔になってしまうので、購入の時にはパッケージに「いじり止め対応」などの記載があるか、忘れずに確認しましょう。
サイズのT◯のあとにHが付いていればいじり止め対応です。最初に紹介したセットには「T7H」などが該当します。(書いてあるとおりのものが届くかすら怪しい海外通販でもなければ合っているはず)
ポイント3:使いやすい形を選ぶ
トルクス用の工具には、主に3つのタイプがあります。どれが使いやすいか、イメージしながら選んでみてください。
ドライバータイプ
普通のドライバーの形で、先端だけトルクスになっているタイプ。特に説明することはないでしょう。
L字レンチタイプ
狭い場所での作業や、少し硬く締まったネジに力をかけたい時に便利です。こんな感じです。
ビット差し替えタイプ
1つのハンドルに、色々なサイズの先端(ビット)を付け替えて使います。コンパクトに収納でき、コスパも良いので、はじめての方には特にぴったりです。
というか、初心者はセットで持っておくほうがサイズ違いや種類違いを起こさなくて済むので差し替えタイプのセットを持ちましょう。差し替えタイプじゃないものをセットでも良いですが、かなりかさばります。
まとめ:もう「星形のネジ」に困らない!
見慣れない「星っぽい形」のネジが出てきても、もう大丈夫。これだけ覚えて帰ってください。
- 六角形の星っぽい形のネジの名前は「トルクスネジ」
- 専用の「トルクスドライバー」を使えば回せる
- 選ぶときは「サイズ」と「いじり止めの穴の有無」を必ずチェック!
「サイズを確認しましょう!」と言われてもそもそもどうやってサイズを測るのかすらわからない人がほとんどだと思うので、大人しくセットを買っておくことをおすすめ。DIYやっていればいつか必要になります。