ドラクエ3のRTAにホットプレートは必要ありません。

はい、何を当たり前のことを言ってるんだろう?と思った方のためにまず大前提から説明します。2020/12/27に行われたRTA in JAPANというイベントで「何でもアリ」というルールでドラゴンクエスト3のRTA(リアルタイムアタック)の世界記録が更新されました。

走者のひっしー氏のタイマーではなんと22分を切る好タイム。

その記録更新者が「ゲーム機本体をホットプレートで温めるというプレイで挑む」と宣言していたということで本番前から話題になり、開始直前には「ホットプレート」がTwitterのトレンド2位まで急上昇しました。

ところがこのRTA走者のひっしー氏、本番後の解説&振り返り配信で爆弾発言をしています。

「ホットプレートは不要だし、無いほうが良い」と。

それでも今回はホットプレートが使われ、それで最高記録を出しました。なぜ必要のないはずのホットプレートを使うことになったのでしょうか?

(謝罪:この記事を書いた直後にRTA走者のひっしー氏にTwitterで本記事を紹介していただいたのですが、ドメイン関係のゴタゴタがあってURLが変わってしまったので、ひっしー氏のTweetから読もうとしてくれた方にはリンク切れでご迷惑おかけしました。)

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今回の記録を出すのにまず「電源バグ」が必須だった。

具体的な手順を厳密に書くと滅茶苦茶大変なので大雑把に書くと、特定のタイミングで電源のONOFFやアダプタの抜き差しをすることでゲームのデータをバグらることが出来ました。

過去にもいくつかの実例がありましたが、これを夏ごろに体系化し、狙って強いバグデータを出そうとする方達が現れて色々試行錯誤した結果が今回のRTAでの記録です。

最速でクリアするためには最短で最後のボスであるゾーマのところまで行って可能な限り早く倒さなければいけないため、「にじのしずくを所持」「ルーラでリムルダールに行ける」「ゾーマを倒すだけの戦力がある」などの条件を全て揃えたデータをバグで生み出す必要がありましたが、ここで問題点がでてきます。

本体ごとに「電源バグ」で産み出せるセーブデータが違う

RTA走者の方々が何度も試していくうちに、ある程度狙って以前と同じようなデータを生み出すことができるようになっていくのですが、その中で「本体ごとにこのバグで出せるデータが違う」ということが判明します。

そのため本体を大量に用意して色々試して「有利なデータが出やすい本体を探す」という「本体ガチャ」と呼ばれる行為をしてゾーマの城へ行くために必要な「にじのしずく」を持ったセーブデータを作り出せる本体で練習をしていたところ、あるときを境に狙ったバグデータが出にくくなります。

そのときにひっしー氏が他の走者と相談した中で「引っ越しをしたら良いデータが出なくなった」と言う話が上がってきました。そこで原因を考えていった結果一つの仮説が浮上。

「温度が関係しているのではないか?」

これが今回のホットプレートRTAの始まりです。

ホットプレートがパワーワードだったので採用した

記録更新後のひっしー氏は動画での解説と振り返りでこう語っていました。

「ホットプレートはパワーワード」「絵面が面白い」と。

実際、事前の検証で「どうも温度が関係するらしい」とは分かっていたのですが、ホットプレートよりももっと安全で温度調整がしやすいものも候補にありました。

が、「ホットプレートの方が絵面が面白いのではないか」というところを優先した結果、今回のホットプレートRTAにつながるわけです。実際、Twitterのトレンドに上がるほど話題になったので大成功です。

結局、ドラクエ3にホットプレートは必要なのか?

結論を先に言ってしまえば「ホットプレートが必要かは人による」が答えです。正確に言うと使用しているゲーム機本体によります。

というのも、今回一緒にRTAで競い合った方の場合は「本体を冷やしたほうが狙ったバグデータが出る」という状況でした。

そして今回記録を出したひっしー氏は「27℃前後に上げないと狙ったデータが出にくかった」と語っています。(にじのしずくが出にくかったようです)

その話の流れの中で「ホットプレートは必要ないし、無いほうが良い。ただ、自分の持っている本体では加熱が必要だった」という意味の解説が。

なので、今回のホットプレートRTAは「27℃前後でちょうどよいデータが出る」という本体を持っていたひっしー氏が「ホットプレートだと絵面が面白い」という遊び心から本気で努力した結果生まれた奇跡のRTAだった、ということになるのではないでしょうか。

「ドラゴンクエスト3のRTAにホットプレートは不要」ですが、彼には必要だったのです。

記録更新後に焼き肉を焼いて視聴者1万人に見せつけるために。