無能な上司が居るおかげで会社は回っている。

今回は、無能な上司がそのポストに居座ってくれているおかげで会社の業務が回っているのではないか?というお話。

上司が何もしないから下の人間に一体感が~とかの精神論は一切言うつもりはありません。

当たり前のことを当たり前に書いていきます。

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実績を評価して優秀な人を出世させてはいけない

最初に精神論は言わないと宣言している通り「1人だけ実績がすごい人は裏でなんかやっている卑怯者のはずだ」みたいな憶測の話ももちろんしません。

結論だけ先に書くと、実績を評価して出世させていくと会社は無能しかいなくなります。

実はこれには名前がついています。その名も「ピーターの法則」

この法則の結果だけを簡潔に書くと

  1. 優秀な人を昇進させる
  2. その人が出世できる限界まで出世する
  3. 出世した結果、その地位にとっては有能な人でなくなる

というオチ。

しかも日本はクビにするのにも大きなコストがかかりますし、降格も中々出来ません。左遷くらいが関の山でしょうが中小企業ではそもそも左遷先もないわけで。

実績だけを見て昇進させたら無能になる例

求められる能力が違うパターン

例えば「指示された内容をこなす」という能力において社内で一番という実績が評価されてヒラから昇進したとします。

このとき、やることが全く同じなら良いですが、もし部下がついてしまったらどうなるでしょうか?

今度は人に教えなければいけませんし、自分の作業に取り掛かる前に部下に指示を出して置かなければいけません。部下の手を止めるのは大幅な損失ですから。

で、ここで最初の昇進理由に戻るわけです。

「作業をこなす能力」が評価されて昇進したわけですので「部下に指示を出す能力」があるかどうかはテストされていないわけです。実績だけを見て昇進した場合。

それでも不慣れながら指示を出してくれればまだマシな方で、部下を捨てっぱなしで自分の仕事だけに夢中になることもよくあります。

こうして「上司」としては無能な人間が出来上がるわけですね。

求められる能力に追いついていないパターン

少し飛躍しますが、スポーツ選手をイメージすればこれは簡単ですね。

2軍で大活躍して「1軍でも戦える」と言われた選手がいざ1軍に行けば「並かそれ以下」で収まってしまうパターンです。

今いる場所からすれば優秀な能力でも、もっと優秀な人だけが集まった場所に行けばそれは並かそれ以下です。いきなり活躍できるのはほんの一握りの限られた人だけ。

通常の業務でも職種によっては似たようなことになります。

やることが単純なら最高の成果をあげられるのに、やることが増えるとダメになってしまう人。

間違った基準で出世するパターン

これはピーターの法則からはちょっとズレます。主に人事部の人が原因。現在の評価基準で重視すべきところを間違っていて出世してしまうケース。いわゆるごますりですね。しかもこれで出世した人が今度は評価する側になってしまうと同じことが連鎖する悪循環つき。当然無能な人がどんどん増えていきます。

昇進後の業務内容をテストすれば良い?

現在の業務内容の評価で昇進をするのがいけないのなら、昇進後に求められる能力を満たしているかチェックすれば良いのでは?と思うでしょう。

実際にそうやって昇進試験をしている会社はたくさんあります。

ですが、これにも問題があります。

優秀な人が昇進してしまうんですよね。

え、何が問題なの?と思うかもしれません。というか最初はそうなるでしょう。

ですが、優秀な人が昇進してしまうということの意味を考えてください。

無能な人しか残らないんですよ。その地位に。

優秀な人が全員昇進してしまった場合、そのポジションに優秀な人は減っているはずです。

その中でリーダーのような役割を持っていた人も消えています。仲間に指示することが得意な人は昇進試験に受かって上に行ってしまっているのでしょうから。(中には「作業をこなすのは苦手だけど指示だけは得意」という居なくなって良かったパターンもあるでしょうけど)

というわけで、またしても「無能な人」ばかりになってしまうんですよね。職場単位で見た場合。

会社の業務は「出世していない人」で回っている

日本語で遊んでいるように見えるかも知れませんが、「出世できない人」ではなく「出世していない人」で会社は回っています。

平たく言えば「出世するだけの能力はあるのにまだ出世していない人」こそが「有能な社員」として業務を回しているのです。これはピーターの法則でも触れられている内容。

この人達がいるから会社の業務が今日もきちんと回っているわけです。

で、会社としてはこの「出世していない人」を一定数残しておきたいわけです。業務をこなすために。

さてここで問題です。「実力があるのに出世しない」という状況を今までの会社はどうやって理由付けし、納得させてきたでしょうか?

無能な上司の一番の役割はそこに居座っていること

はい、答えはシンプル。

「年功序列」などのきれいな建前を使い、優秀な人の昇進を後回しにすることで「有能な社員」をキープしていたのでしょう。

ピーターの法則を考えるときの思考実験で「くじ引きで昇進させる」というパターンもシミュレーションしているのですが、なんと「能力主義で昇進」するよりも良い結果がでています。

現時点で無能な人が昇進してからまた足を引っ張るより、有能な人が無能になってしまうマイナスの方が痛いという点が大きかったようで。

「有能な人」を昇進させずに手元に置いてくため、誰もがある程度納得できる理由として「年功序列」はとても使いやすかったのでしょう。

そして産まれたのが無能な上司たちです。

さいごに

というわけで、無能な上司がそのポジションに居座っているお陰で会社は「有能な社員」を有能なまま使うことができ、業務を回せていたのではないか?というお話です。

「会社の利益のほとんどはたった一部の社員で産み出している」という話とも繋がるこのお話。

といっても現代では終身雇用も年功序列もあまり好まれていませんので、これからも同じ方法で騙し続けることは不可能でしょう。

出世はさせない代わりに待遇を改善したりするなどして、現在のポジションのまま居てもらう方法を何か考え出して欲しいところ。